「純日記」というものがあることを見つけた。
みんな、日々を淡々と書き連ねていながら、なんでもないような物事を宝石のように表現されているかのようだ。
自分も変に文章にこだわらず、あったことをあったまま、感じたままに書いていこうかと思う。
職場で昔からいる方が亡くなった。余りにも急であり、皆騒然としていた。
自分は各方面に連絡を取っていた。
同じく昔からいる女性の職員は涙を堪えきれずにいた。
最近入ってきた職員はそれほど関わりがなく、自分もそうであったため、頭のどこかで「今ある業務は棚上げだな」と考えていた。
入ったばかりの頃、「頑張ります!」と挨拶したら「頑張らなくていいんだよ」とその人は言っていた。
それが唯一といってもいい思い出である。
外部の方々にひたすら電話をし続けて喉が疲れてしまった。
口頭の連絡は葬儀の日程が伝わっているか不安である。
家に帰ると妻がオムライスを作ってくれていた。ミキサーで卵白を泡立てたそれは口の中でとろけるようで、妻を愛しいと思える味だった。