KQ4 DIARY

地方で暮らす、30代男性の日々の色々なこと 教育→小売→福祉と転職

映画「歩いても 歩いても」感想

帰省を通じて家族が揃う…。あらすじを短くまとめれば、これだけです。事件という事件は起こらない。
ただ、話が進むにつれてこの家族の長男が亡くなったことが分かります。これも過ぎ去った「過去」であり、新たな出来事は起こりません。
こうした、「舞台設定」だけがあり、その中で登場人物が交流するわけですが…。これが自分にとってはまさに「葬儀であった親族」の雰囲気そっくりで…。話す相手によって建前と本音があけすけに出てくる。これがまたエグいというかなんというか。特に女性陣のそれは顕著で、冒頭でけなした相手に笑顔で出迎え、チクチクさしてくるあの感じ…。体験したわけでもないのに知ってるぞ、この感じ。
言葉で書くと重々しいんですけど、描写はさらっとしてます。だから嫌味がない。最低限の会話や表情、視線がそれらを語ってる。役者陣の演技力を感じます。

自分にはこの家族は、どこにでもある家族と感じられました。そう思うくらいリアルな雰囲気でした。
この雰囲気は非常に淡々としていて、感動的な演出があるわけでもありません。でも、年に1度の顔合わせで色々な感情が静かに交錯するこの雰囲気に緊張感を持ちました。

「いつも、ちょっと間に合わない」

しみじみと「人生」を感じたい、しっかりとした「映画」を見たいな、という人に。