車で外回り中のこと。
折からの雨が止み、蒸し暑さを感じていた。
ふと、信号待ちの高校生カップルが目に入った。
男の子が女の子にリュックを持ってもらい、セーターを脱いでいたところだった。
脱ぎ終わったセーターをリュックにかぶせ、「ありがとう、リュックを返して」と手を伸ばす男の子。
すると、女の子は首を振り、カバンの上のセーターに顔をうずめた。
セーターの匂いを嗅いでいたのだろう。
表情は見えなかったが、その愛おしそうな仕草だけはよく見えた。
信号が青になっても、そのまま2人は歩き続けていた。
だれかぼくをたすけて。
…なんでしょうね、青春の1ページを見る度に俺にダメージが入るシステムはなんなんでしょうね。
それは、二度とかえってこない日々であり、そもそも経験したことがない幻想が、目の前の現実に追いついてこないからなのかもしれませんね。寝ます。