KQ4のブログ

地方で暮らす、30代男性の日々の色々なこと 教育→小売→福祉と転職

自分にできること、できないこと

今から11年前、東日本大震災が起こったときのこと。
私の父や兄は建築業界にいたため、家のがれきを撤去したり、片付けをしたりと忙しく動き回っていました。
母親も家にある調理器具で食事の支度をしたり、できる範囲で片付けをしていました。
姉は当時産まれたばかりの息子の世話にかかりきり。

その一方、私は赴任先から急いで帰ってきたものの、何もできることがありません。
しかも、兄が差し入れを買ってきていたのに、私はそんなことにも気が回らず、身一つで帰ってきてしまったのです。
当時教員として働くことが決まっていたのですが、先生なんて人から呼ばれる職業といっても、非常時には何の役にも立たないな…と一人自分を責めていました。

唯一私ができたことは姉の娘の遊び相手。
とはいっても、避難先の実家にはおもちゃも何もなく、何もない部屋でひたすら鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり…
家の中も危険な場所が多く、外に出るなんてもってのほか。
あの数週間はキツかった。
まぁ、みんな辛かったでしょうけど。

当時感じていた無力感は今でも心に残っていて、「非常時になったら自分は役に立たない」という刷り込みがされているように思います。
そもそも非常時になったらどうしよう、という不安がぼんやりありますが、そんな時はデンジくん精神で「楽しくねぇことを考えても楽しくなくなるだけだな」と思うようにしています。

一方で、今の私は書類仕事にそれなりに強いのと、それなりに人の話を聞くことができるので、家族間でもそれなりにできることがあるのかな、と思うようになりました。
家事がそれほど苦にならないこともあり、妻からも頼りにしてもらえています。
「できること」って、増えるとか減るじゃなくて、「自覚する」ものなのかもしれないですね。
当時の自分も、誰も遊び相手のいなかった姪や、その親である姉には頼りにされていたのかもしれませんね。

(ちなみに、当時80を超えていた祖父も重機に乗ろうとして父に怒られていました。今となっては笑い話ですが、なにか役に立ちたかったのかなぁと思います。)