2011年の3月、私は新しい生活に胸を躍らせていました。
教員採用試験に合格し、勤務校への赴任を控えていたのです。試験の倍率が8倍というのもあり、嬉しさもひとしおでした。
それまで勤めていた東京の会社を辞めた後、私は地元で授業研究をしながら過ごしていました。
教員になると忙しくなってしまうため、なかなか会えない旧友たちとの予定も入れていました。
特に、大学の頃憧れだった先輩と会うことをとても楽しみにしていました。
それまでなかなか会うことができませんでしたが、同業になることもあり、色々なことを話す予定でした。
ですが、3月11日、震災が起こりました。
幸い先輩も私も無事でしたが、とても会うどころではありませんでした。
他の友人たちとも会えなくなりました。
そうした混乱の中、新生活が始まりましたが、いろいろなことがうまくいかず、私は失意の中実家に戻ることになります。
うまくいきそうだったことや、楽しみにしていたことが不慮の事態でなくなってしまうことがトラウマになってしまったように思います。
心のどこかで「また、震災のようなことが起こるのではないか」と思ってしまうのです。
今、私は運良く結婚し、家を建てることができましたが、これも何か不意にダメになってしまうのではないか...
コロナ禍、ロシアとウクライナの戦争、そして今噂されている台湾有事...
特に台湾有事は間違いなく日本も無関係ではいられないでしょう。
怖くて仕方がありません。
思い起こせば、期待が裏切られる経験はきっとそう多くはないのですが、震災のトラウマというか、経験は心に重く残っているような気がします。
どうしようもないことはたくさんあるとわかっているのですけどね。
いい意味で楽観的になりたいです。豪胆さが欲しい。