書店で続編を見かけ、「そういえば気になってたけど、1作目読んでなかったな」と購入。
一気に読んでしまいました。
ここで語られている少年たちの特徴が、勤務施設の利用者たちと重なり、「これはうちの職場のことなのだろうか」と思ってしまいました。
知的障害や、ボーダーにいる人の特徴として、「見通す力」がないとは思っていました。
「それをすれば、結果としてこうなる」とか、「今のうちにしておけば、後々利益が出る」ということが分からないのです。
そのため、常に目の前のことしか見えず、刹那的で、同じ間違いを繰り返す…
ここまでは経験でわかっていた部分。
問題はこの先。
そもそも、問題を問題として認識していない。
言葉が分かっていない。意味が通っていない。
すなわち、認知機能の問題(歪み)であると。
目が合っただけで「あいつは俺をバカにしている」と被害妄想にとらわれている人を思い出し、とても腑に落ちました。
とすると、問題行動を起こす人に対し、いくら道議や理屈を説いても伝わっていないのではないか。
同じ問題を何度も繰り返すのは当たり前なのではないか。
そう捉えることができました。
岡本茂樹先生の「反省させると犯罪者になります」を読んでいたこともあり、「そもそも反省以前の問題である」という言葉がすっと入りました。
社会面、教育面(認知)、身体面の支援が必要と説いており、この支援に関しては続編に期待しています。
解決の糸口である、「自己への気づき」と「自己評価の向上」はすべての人にとって大切なことだと思います。また、「褒める教育だけでは問題は解決しない」のところはドキっとしました。
教育や福祉分野で勤務している人はもちろん、人と関わることそのものについて学びたい人に。