KQ4 DIARY

地方で暮らす、30代男性の日々の色々なこと 教育→小売→福祉と転職

楽しそうに仕事をする人

数年前のこと。

自分のカフェを持ちたいという夢=現実逃避を自分の手で終わらせた俺は、

そのための修行として入った会社に対してまるでやりがいを見出せずにいた。

 

そんな時、埼玉にて催事が行われることになり、そのスタッフとして俺が駆り出された。

そのときにその人と出会った。

 

たまたま隣のブースでお団子を売っているお兄さん。

歳の頃は30代後半くらいだろうか。

当時の俺とは10歳くらい離れていたように思う。

 

何かのきっかけでたまたま話すようになり、仕事の終わりに呑むことに。

彼の会社は京都にあり、埼玉に限らず全国どこにでも出張するのだという。

彼を含め、催事チームは4人おり、その4人だけで1億くらい稼ぐのだという。

 

真偽はともあれ、そのお兄さんは本当に楽しそうに仕事をしていた。

一緒に呑んだ飲み屋さんもお客さんから教えてもらったのだとか。

 

「自分が食べて美味しいと思うものを売るんだから楽しいに決まっとるやろ」

 

と笑顔できっぱり言ってのけた。

 

結婚もしており、小学生の息子におもちゃをねだられて困ると言っていた。

充実した人生とはこのことを言うのだろうと思えた。

 

俺は、とても彼のようにはなれないと思ってしまった。

自分の売っているものが好きとは言えない。

何を目標にすればいいかも分からず、ただ日々を平和に過ごせればそれでいいと思っていた。

でも、それでいい仕事ができるわけでもなく、ただただ目の前の仕事をこなすのみ。

 

翌日も彼とは何かと話す機会があった。

彼は1個のお菓子をくれた。

 

「これ、俺が創った商品。デザインから決めたんや。」

 

聞けば工場にも顔を出し、製造現場とコミュニケーションをとりながら販売にこぎつけたらしい。

 

ただ販売だけをするのではなく、企画も行う。

ますます彼と自分との距離を感じた。

 

ただ、彼がまだ若造である俺を何かと気に掛けてくれたことだけは分かって、それが嬉しかった。

 

何か教訓のようなことを話してくれたような気もするけれど、彼の姿勢がまさに貴重なお手本のような存在だった。

 

…残念ながら、当時の俺は何に対しても疲れてしまっていて、「彼と自分とは別世界の人間なんだ」としか思えなかった。

 

でも、今ならば少しだけ彼のしていたことが分かる気がする。

仕事はただ与えられたものをこなすだけじゃダメなんだ。

自分でまわりに働きかけて、自分で仕事を作らなくてはならない。

 

消極的にしか自分の人生を決めてこなかったけれど、俺も彼のように楽しく生きたいと今更ながら思う。

まだ、間に合うはずだ。